どんな人の生活にも音楽は必ず係わっているもので、父母がかけるCDも、高校生の時お風呂に置いてあったラジオから流れるのも、自転車で駅までの道をかっ飛ばしながら聴くMDも、生活の大半で耳に入れる音楽の殆どが邦楽でした。それは多分日本語の持つ空気が好きだったからと思います。
今の気分の10曲です。
■ Lucky/supercar
スーパーカーというバンドを通して受けた恩恵は計り知れない。大好きな2人のDJと出会い「Re:Supercar Style」というイベントを立ち上げてこの人達の音楽を通して沢山の人と知り合って繋がって今日がある。高校生の時この曲を聴いていた時はもちろんそんな想像なんてしていなかった。
ギターの突き抜け具合と唯一無二のツインボーカルがどこまでも青空の世界に連れて行ってくれる不朽の名曲。
2003年夏、今では伝説的なイベント「Rock jp」でかかっていた。当時の恋人が踊り明けた朝、この曲を歌っているのはbonobosというバンドだと教えてくれた。その時の夏のまだ陽が昇りきる前の穏やかな空気とあいまって忘れられない曲になった。
bonobosはそれから快進撃を続け「THANK YOU FOR THE MUSIC」や「Standing There」など名曲を数多く生み出すが、未だにこの曲が一番輝いている。
初めてクラブで定期的に通ったイベントが「Rock jp」だったからか、あの下北沢Club Queで隔月で行われていたイベントでかかっていた曲には思い出が多い。
このYOUNG PUNCHの名曲もそうで、くるりの「ワンダーフォーゲル」と比較される事があるけれど、どっちが先かとか後かとか本当にどうでもいい話でただただひたすら気持ちいい。きっとこれから何年経っても色褪せない永久のダンスナンバー。
■ Dear Joyce/riddim saunter
2008年に出会った最もキラキラしているバンド、riddim saunter。FUJI ROCK 08'では3日連続で出演、3日とも異なるステージでフジロッカーを沸かせた。RED MAQUEEでのステージでは外国のお客さんもずっと笑顔で見ていた。フルートの弾む旋律が輝く名曲。
「素敵な日曜の夜 気分が晴れていく 親愛なる人と 素敵な日曜の夜 季節が移る様に 蕾が開く様に」
クラブで踊り明かす楽しみがこの1曲に詰まっていると思う。失恋なんか吹っ飛ばしてさ、ぶっとばしてよDJ!と歌う。DJをやる原点になっているうちの1曲。
沢山のミュージシャンやDJからも愛され淡々と素晴らしいナンバーを作り続けるバンド。
先日「R246」という映画を観に行ったら、須藤元気監督作品のエンディングがこの曲でびっくりした。映画館でこのイントロがかかった時の高揚感といったら。もうイントロからかっ飛ばしていて何も考えない。最高に気持ちいい。
「あと10秒で 世界が終わる そんな瞬間が もしも来たら その10秒で 君に触る それ以外は ねぇ
何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ 何もねぇ」
それ以外は何もねぇよなと素直に思う。
この曲を知らなかったら人生もったいなかったと思う。こんなに一人の夜も楽しい夜も似合う夜の曲を知らない。1996年この曲がラジオから流れた。初めて聴いた時は正直不思議な曲だなと思った。
クラブに行くようになり、イベントでこの曲を耳にしてこんなに夜が似合う曲があるだろうかと思った。ふわふわしていて漂っていて空気のようで暖かくてしびれた。どんな夜もこれさえあれば怖くない。
いきなり毛色が違うようだけれどDragon Ashはものすごく繊細なバンドだと思う。Dragon AshはBな面ばかり注目されるけれどメロディーがずば抜けて繊細で優しい。ROCK IN JAPAN FES 2002で大トリで出た彼らが「最近はあまり歌わないんだけど」と、言ってこの曲を歌った。歌いながら泣いていた。
高校生最後の夏に運命的に出会った「Under Age's Song」の方が思い出深いはずなのに夏フェスの時の空気を思い出すからか今でもこの曲を聴くと泣きたくなる。
当時タワーレコードで働いていた友達から、ぜひ聴いてほしい曲があると連絡をもらった。caravanはRAW LIFEというアルバムを出す所で、その中にYUKIに提供したこの曲が入っていた。社会人を1日さぼって江ノ島に繰り出した5月、借りたCDプレイヤーから流れたcaravanは砂浜を裸足で歩いているのと変わらない位に気持ちよかった。
すんなり流れる穏やかな声とギターのシンプルなメロディ、空がどこまでも続いていく。こんなに砂浜と福岡のピースフルフェス「Sunset」が似合うギター弾きはいない。
クラブで踊った後、夜が明けたばかりの渋谷を想像する。
これから1日が始まって、自分達は電車を逆流して逆方面の電車は人がものすごい混んでいて、そういうのを想像しながら人が少ないスクランブル交差点を渡っているイメージ。これから始まる1日が素晴らしいものであるのを疑う余地がない気分になる1曲。