『動乱』を買った時は、14歳。Northwichにあったデパートの中のレコード屋だったかな。確か、その数週間前には『サンディニスタ!』も買ってたな。あの頃は、とにかく、聴けるものなら何でも聴きたい、って感じだったんだ。

最初の3曲−"European Home","Tommy Gun",そして"English Civil War"-でもう、吹っ飛んだね。こんなにビッグで、パワフルな音を出すレコード、聴いたことなかったからさ。

"english civil war"は本当に大好きな曲さ。最高のマーチング・ソングだね。イントロのワン・コード。そしてストラマーの"Alright!"っていうシャウト。クソ素晴らしい、皆殺しのロックン・ロールさ。よく友達ん家に遊びに行って、これをかけてはベッドルームを飛び跳ねてたよ。まるで、スピーカーの中から、最後のギャングが街にやって来たみたいな音。

のっけから、ティム、はしゃぎすぎ。マッドチェスターの申し子的な存在であるシャーラタンズのフロントマンも、ロンドン・パンクの銃撃はしっかり受けていたようだ。

この曲の歌詞は、昔のアメリカの南北戦争の歌から取ってると思う。よく、一緒に歌ったんだ。"When Johnny Comes Marching home again"って。でも、それがいったい何について歌ってるかは、実際よく分かってなかった。ただ、自分が信じるもののために立ち上がるってことなんだ、て思ったんだ。それは、僕のイマジネーションに火をつけてくれたね。

そう、思い返せば、ベッドルームで仲間たちと"English Civil War"で踊っていた時間。あれこそ、僕が音楽を通じて学校の外に自分のコミュニティを見つけたはじめての経験なんだ。うん、クラッシュはギャングだった。そして、僕らもね。

このシングルス・ボックスのライナーノーツに文章を寄せている人間は、基本、誰も彼もクラッシュに出会った頃の少年の時に戻ったかのような語りっぷりになっているが、この人の無邪気さは中でも特別かも。もう、私、ここまで、語り足すことありませんもん。ほら、最後まで、14歳みたいだし。

クラッシュは、ただの輝かしいロックンロール・バンドじゃない。彼らのおかげで、僕は、夢を生き抜くことはできるってわかったんだからね。

■English Civil War



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