この全20回に渡る連載のテーマは、この一言に全て集約される。 ボクとクラッシュと時々ダムド、なんて温いもんじゃない。 俺「の」クラッシュ、そう言い切るいい大人23人の言葉を集めた、言うなれば思い出迷子文集である。
登場するのは、ヒップ・ホップMCに始まり、クラッシュと同世代のパンク・ロックのオリジネーター、クラッシュを聴いてバンドを始めた継承者達、サッカー選手、映画監督、そしてクラッシュ以前のロックンロールスターetc...音楽的な雑食性、多様さを表しているかの如くバラバラな面子。しかし一つだけ共通しているのが、皆、誰よりも俺がクラッシュを愛している、と言わんばかりの勢いで語り倒している点。2000年代に復刻された、クラッシュのシングルス・ボックスセットの特典として作られた1冊のブックレットには、19枚のシングルに負けない位のエネルギーが込められている。
何故、自分自身も素晴らしいアーティストである人達が、クラッシュを語る時、ガキ丸だしになるのか。彼等の言葉を通じて、クラッシュの魅力を改めて見直すようなテキストに...ちょっと大上段に構えすぎたかな。いや、そうでもしないとやられちまう。
何せ、相手は、クラッシュなんだから。