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アオキ |
ええとね、「4 kicks beat who?」の後に、TM時代の小室のリズムセンスみたいな話を書こうとは思っていたの。まあ挫折したんだけどさ(笑)。 |
イワホリ |
挫折て。どーいうイメージだったの? |
アオキ |
ごく初期のTMって、けっこうラテンぽかったりジャジーだったりジャマイカンだったり、いわゆる8ビートやディスコビートじゃないリズムで、お客さんを踊らせたいってコンセプトが明解で。もちろん当時はライヴもスタンディングではなく「ロック・コンサート」って面持ちだったし、その心意気があまり成功したとも思えないのだけど。いわゆる「売れるバンド」になったのって、シンプルなシンセポップになった"SelfControl"以降だしね。 |
イワホリ |
まぁ、電気仕掛けの予言者たち*1 ですからね。 |
アオキ |
わたくし、ファンクって言葉を初めて知ったのはTMのインタビューなので、実は(笑)。 |
イワホリ |
俺、Funk The Peanutsだけどなー(笑)。 |
アオキ |
まあ、てっちゃんがどんどんダンスビートに傾倒して、ユーロビートだのトランスだのジャングルだの言い出しちゃって、あっというまにレイヴファクトリーになっちゃったんで。雑食かつ野心的なイメージはもう薄いんだけど。 |
イワホリ |
そーなんだよね、日本でレイヴって単語を聞くと、一番市民権があるのがTRFのRっていう。ニューレイヴ*2 って言われてA-nationの新人?みたいなさ(笑)。 |
アオキ |
うはははは!(笑) |
イワホリ |
テレビ番組とかを上手く利用して、お茶の間レベルでダンスミュージックを浸透させたって点じゃ、小室先生って今の中田ヤスタカより全然でっかいムーブメントになってたんだよね。…なんて話はさ、俺らなんかよりももっと好きな人がやってるからわざわざここで話す事も無いんだけど。むしろ、誰もやらないんならのりしろさんやってくれ、つう(笑)。 |
アオキ |
うん、そういう意味じゃ、中田ヤスタカってまだまだ通好みだよなあ、と思う。ぱひうむがTRFみたいになるのかもしんないけど。…ならないよなあ。 |
イワホリ |
あんま下手なこと言うと怒られるよ!(笑)するなら徹底的に無視するか、小馬鹿にし倒すか(笑)。 |
アオキ |
あ、ごめん(笑) |
イワホリ |
というわけで、何故冒頭にTM話から始まったかを改めて説明すると、6/14の深夜、三軒茶屋の地下にて大いなる狂い咲きを見せたB2Bイベント"Darling"で、アオキが何を血迷ったか、自分の一曲目に鈴木アミーゴ / Be Together をぶっ放しまして。僕はそれを聞いてエキシビジョンの散開を真剣に考えたんですが。 |
アオキ |
なんだよ(笑)。BAND MIXは結構いいんだぜ。びーとぅぎゃーだ、びーとぅぎゃーだ♪ |
イワホリ |
まぁそれはいいや。その晩かかった曲を思い返すと、やたらと四つ打ちもののロック・チューンが多かった印象があって。あと、FPM田中さんが、Sound Conciergeシリーズで日本語曲のみに特化した作品をリリース*3 してたり。いつのまにかアオキが「口を開けばジェッジ」状態になっていたり(笑)。で、四つ打ちダンス・ミュージックはいつの間にロック・ミュージックを侵蝕したのか?という疑問が、真夜中のダンスフロアで唐突に浮かんできたのですよ、というのがこないだのエントリのあらすじ。 |
アオキ |
的確な要約、ありがとうございます(笑)。 |
イワホリ |
趣味は前口上です。 |
アオキ |
しかし、Be Togetherがあなたの胸中にそこまでの暗雲をもたらしていたとは。てんで気付きませんでした。 |
イワホリ |
あれね、スピナスだったら説教部屋行きですよ。 |
アオキ |
アミーゴ、沼津のお宝中古市場で買ったんだよ。5枚100円(笑)。 |
イワホリ |
いいけどさ(笑)。じゃ、カジュアルな質問から入るけど、「踊れるロック」って聞いて、連想するものは何?…10秒で答えて! |
アオキ |
うーん、バスドラ、かなあ。かならずしも四つ打ってほしいわけじゃないんだけど。 |
イワホリ |
ふむふむ、下ものだ。 |
アオキ |
でも、自分がクラブ通いを始めた頃のキラーチューンってなんだったかって思うと、"Elephant Stone"だの"There She Goes"だったりするのよね。あれは全然下ものが強い曲じゃないけど、おもいっきり踊れる。 |
イワホリ |
ゼアシーで踊れるんだ!? |
アオキ |
ああ、むちゃくちゃ踊るよ、ソフトロック畑*4 のひとは(笑)。 |
イワホリ |
踊るソフトロック畑、ていう字面も凄いなぁ(笑)。今、The La'sと、The Stone Rosesの名前が出たけれど、ローゼスもハウスっぽいっていうか、いわゆるセカンド・サマー・オブ・ラブ、ダンスカルチャーとロックが接近した音、なんて言われるよねー。 |
アオキ |
ああ、そうだねえ。 |
イワホリ |
"I wanna be adored"なんか、もろハウスっぽいキックが入るし。 |
アオキ |
ローゼスのこれって、何年だっけ? |
イワホリ |
えっと、かなり前ですよ。1989年。 |
アオキ |
おお、20年経とうとしているか。 |
イワホリ |
それこそ20年も前から「ダンス・カルチャーとロックの接近」とか言われてしまうんだけれど、それって、いつの間にかロックさんはダンス・カルチャーじゃなくっちゃったっていう事なんだよね、裏を返せば。 |
アオキ |
ああ、なるほどねえ。ごく初期のロックンロールはポニーテールに水玉スカートでひらひらと踊る音楽だったはずだもんね。 |
イワホリ |
そう、そもそもはダンスフロアの音楽なわけじゃない、ロックンロールっていうのは。 |
アオキ |
ハイスクールはダンステリア!*5 |
イワホリ |
そうそう(笑)。だから、最初に俺が言った「踊れるロック」なんて言葉は本来語義矛盾も甚だしいのよ。 |
アオキ |
まあねえ。でも、やっぱり、いわゆるロックンロールと、ロキノンなんかが「この魂の叫びを聴け!」なんつって煽ってる「ロック」がもうずいぶん乖離してるよね。 |
イワホリ |
勿論。つうか「好きなジャンル:ロック」ってもはや意味分からないもんね。 |
アオキ |
「好きな食べ物:炭水化物」くらい?(笑) |
イワホリ |
もっというと、「好きな食べ物:カロリー」位だよ(笑)。 |
アオキ |
うはははは! |
イワホリ |
もはや成分でもなんでもないもん。で、そんな中ロック・フェスに出て闘わないといけない人達はホント、大変だよ。 |
アオキ |
ああ、たしかに。「ロックフェス」って言ったって、もはや異種格闘戦みたいなもんだよね。 |
(続かないわけがない) |
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